関節リウマチ

関節リウマチとは

手指や足指、手首、膝などの関節が腫れて痛みを生じる病気で、慢性関節炎を引き起こします。全人口の100~200人に1人ほどの割合で生じるとされ、男性に比べて、女性の方が3~4倍ほど多く発症するとされています。
関節リウマチを治療せずに放置してしまうと、関節の骨や軟骨が壊れ、関節の変形が生じて、最終的には手元の作業ができなくなったり、歩行ができなくなったりして、生活の質が下がってしまいます。一度生じた変形を元に戻すことはできないため、関節リウマチが初期の段階のうちに適切に診断し、治療を開始することが重要です。

関節リウマチの診断

関節痛や関節炎を引き起こす病気は数多く、関節リウマチか、それ以外の別の関節疾患(変形性関節症、へバーデン結節、関節リウマチ以外の自己免疫性関節炎など)か、を正しく診断することは、適切な関節リウマチ治療につなげるために必要な作業です。
問診や関節診察、採血検査やレントゲン検査の結果から、関節リウマチの関節炎の特徴を見つけることが重要です。

関節リウマチの治療

関節リウマチと診断した場合、患者様ひとりひとりの背景(年齢、持病、関節リウマチの重症度など)に合わせて薬剤を選択します。関節リウマチの関節炎は免疫反応の異常が関連しているため、多くの薬剤は異常な免疫反応を調整もしくは抑制する働きがあります。具体的には、古典的内服薬、注射薬である各種生物学的製剤、新規内服薬であるJAK阻害剤などを使用し、できるだけ早く関節炎を抑え、関節痛を無くすことを目指します。
関節リウマチ患者様は、しばしば間質性肺炎などの肺疾患を有しています。また、近年は、高齢化、肝臓や腎臓の機能低下、がんの合併など、さまざまなリスクを有している方も多くなってきています。このような患者様にも適切な治療を提供できますよう、我々は安全性と有効性との両方を重要視した治療を行っています。また、持病に対する専門的な管理が必要な場合や、関節変形に対する手術療法が検討される場合などは、総合病院(名古屋大学医学部附属病院整形外科リウマチ専門外来、一宮市立市民病院整形外科リウマチ科など)との連携を取ることができる体制となっています。

〜関節リウマチを患う方へ〜

関節リウマチ治療はこの20~30年で大きく進歩し、関節炎や関節破壊を長期的に抑制することができるようになりました。一方、残念ながら、関節リウマチは現在の医療ではいわゆる『治った』状態にすることはできません。代わりに、適切な薬物治療によって症状が出ない『寛解(かんかい)』という状態にすることができます。我々は、患者様の関節リウマチの状態を把握して、寛解を達成し、かつ長期にわたり寛解状態を維持することを念頭においています。関節リウマチ治療の最終的な目標は、将来にわたって関節破壊の進行を予防し、生活の質を保つことです。
当院は、日本リウマチ学会専門医による早期診断や適切な治療ができる環境にあると考えております。よく患者様に『普段の生活でしてはいけないことはありますか?』と訊かれます。私は『趣味でもスポーツでも旅行でも、なんでも自由にしていただいて結構です。』とお話しします。やりたいことができない際は、治療の調整を行いますので、ぜひご相談下さい。患者様が制限のない生活ができることのお手伝いをさせていただければ幸いです。(院長 服部 恭典)

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